「全国がん登録の保健・医療への貢献」と「全国がん登録」データ活用の今後ほか~第25回学術集会 地域がん登録全国協議会より~

【今回のトピックス】

第25回学術集会 地域がん登録全国協議会 「全国がん登録の保健・医療への貢献」

2016年1月から「全国がん登録」がスタートし、今回の地域がん登録全国協議会では、 データの活用にフォーカスを向けた、より具体的なディスカッションが繰り広げられました。 どのようなデータがいつ公表される予定か、いつも「がん情報サービス」を お使いの皆様に一早くお伝え致します。その一部を皆様にお届けします!

「全国がん登録」データ活用の今後

「全国がん登録」元年である今年は、データの活用についてフォーカスが向けられ、がん登録事業として最終ステップに入ってきた印象を受けました。
「国民が理解しやすく、がん患者のがんの治療方法の選択に資する形で公表するよう努める」という条文ががん登録等の推進に関する法律にも記されています。患者会が参加する新しい試みもあり、学会の在り方も変わり始めているように感じます。

患者会からは「もっとこういったデータがほしい」という要望が患者や家族の視点から訴えられ、データを集める登録士(実務担当)の方や研究者の方々は興味をもたれて質問をされていたのが印象的です。

新薬の開発は医療の発展でもあります。製薬企業の立場からも、新薬を開発するにあたって必要なデータなどを訴えることも大切であると思います。

今後のがん統計データ公開予定について

  • 全国がん登録の初年度である2016年度のデータについての公表時期は、2019年3月が予定されている(データの確定は2018年12月末予定)。
  •  地域がん登録によるがんの罹患率推計報告から、全国がん登録に変わることによる 罹患率への影響については、ポスターセッションでも発表されました。
    詳細については、現時点では未定の部分が多いようです。サイニクスとしては、今後の進展に注目していきます。
  • モニタリング集計2012は既に集計を終えており、今月中にはWebsiteにアップされる予定とのこと
    http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/monitoring.html
  • がん診療連携拠点病院における2008年分の生存率集計は7月に公表される予定とのこと
    http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_reg_surv.html

■ 編集後記 ■

思えば地域がん登録全国協議会に初めて参加してから10年になります。
がんの疫学研究者の先生方だけのこじんまりとした会の様相も年々代わり、 今年は例年になく熱心な参加者を多数見かけたように思います。
「がん登録士」としての認定制度が導入された影響もあるのでしょうか?

来年は、愛媛県で開催が予定されております(2017年6月8日~10日)。
毎年ASCOと日程がかぶってしまい、弊社では誰がどちらの学会に行くべきか悩むところ。。。
疫学も治療・開発動向もどちらもCancerMPactのコア・データです。

心配しながらも楽しんでいる様子でした。