サイニクス オンコロジー・マーケット・アセスメントチームとOracle Life Sciences コンサルタントが注目するトピックをご紹介 “Illumination & Innovation” ~ 米国臨床腫瘍学会 (ASCO) 2015より~

【今回のトピックス】

▊ASCO 2015 “Illumination & Innovation” : 
開催3日目までの主な注目トピック

シカゴで開催のASCOに参加した弊社Oncology担当者より、開催3日目までの主な注目トピックをお送りします。
開催初日から不安定な天気が続きましたが、雨のおかげか新緑が一層美しく、生き生きとして見えます。今年もASCOは3万人を超える参加者を迎え、セッションの合間にもあちこちでディスカッションの輪が広がり、天気とは反対に会場は活気に満ちあふれていました。

ASCO 2015 “Illumination & Innovation” : 開催3日目までの主な注目トピック

昨年に引き続き、今年も「免疫療法」に関するセッションは特に参加者が多く、初日からいくつかのセッションで入場制限がかかるほど。

2日目のセッションでは「大腸がん」においてDNAミスマッチ修復の欠損があるか、異状がないかが免疫療法の効果に大きな差をもたらし、mutation burdenと予後の関連を再確認できました。ただし、mutation burden以上の鍵がまだ存在するのではという疑問が残り、現在計画中のKEYNOTE-164試験に投げかけられる形となりました。

また、注目の「非小細胞肺がん」CheckMate-057試験のセッションでは2つ目となる生存率の改善を示す試験結果が発表され、「非扁平上皮がん」治療のパラダイムシフトを期待させるものとなりました。

CheckMate-057試験の発表データでは喫煙者に対してより治療が有効であることが示唆されたこともまた興味深い点でした。セッション後に開催されたディナー・セッションにおいても喫煙者の患者さんに対する効果が話題となり、治療開始3日間でCRを達成し2年間以上安定しているヘビー・スモーカーの女性がいるとの驚異的な臨床例も紹介されました。この点に関して、今後、肺がんにおける喫煙者と非喫煙者での治療効果の差のさらなる分析が望まれるとコメントが出ました。またその際のディスカッションでは、喫煙歴と治療効果の確認の一環として他に喫煙との関連性が指摘されるがん種においても喫煙歴別での結果分析が望まれるとの話もあり、会場から高い関心が寄せられていました。

Phaseを問わず世界中で現在実施されているオンコロジー領域の臨床試験6,018の試験のうち279試験(日本国内21試験)は免疫療法が対象という発表もあり、これらの試験によって今後どのようなエビデンスが示されるのか非常に興味深く思いました。

会場での発表やお会いした方々が同様に感想を述べられた点として、依然、真のバイオマーカー、治療タイミング(1st line /アジュバントでの結果)、併用薬など幾つかの挑戦(課題)は残されているものの、これからのがん治療にまた新たな光がもたらされたと強く感じています。

今年のASCOで発表された数々のデータと、それらが今後の治療、そして市場にどう影響してゆくのか、7月23日(木)に東京で開催いたします第10回 キャンサー・インサイト セミナーでも取り上げたいと思います。
お申し込みは下記のバナーより承っております。皆様奮ってご出席賜りますようお願い申し上げます。

■ 編集後記 ■

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