去る2025年2月21日、弊社サイニクス株式会社が2017年より三期にわたり一員として活動している厚生労働省科学研究費がん政策研究事業「がん統計を活用した、諸外国とのデータ比較に基づく日本のがん対策の評価のための研究」(松田智大班)は、「希少がんの疫学と臨床研究」をテーマにセミナー(勉強・調査会)を開催しました。この度、その講演内容を広くお届けするべく、当日の様子を動画で公開いたしましたのでご紹介いたします。
今回で第8回目を迎える本セミナーでは、希少がんに焦点を当て、日本、そしてアジア地域の疫学と臨床研究への取り組みをご紹介しました。
弊社サイニクスでは今後も研究班員としての活動を通し、産学の架け橋となれるよう微力ながら尽力する所存です。今後も同様のセミナーを開催する予定ですので、是非、製薬企業の皆様のご意見をお聞かせいただければ幸いです。
第8回 がん統計に関する勉強会 テーマ:希少がんの疫学と臨床研究
- 『がん登録と医療データの近未来:日本が目指すデータ活用』
松田 智大(国立がん研究センター がん対策研究所国際政策研究部長/ がん対策研究所がん登録センター長) - 『日本における希少がん患者の罹患統計と受療動態』
杉山 裕美(公益財団法人 放射線影響研究所 疫学部 副部長) - 『Rare Cancer Incidence in East and Southeast Asia』
Patumrat Sripan(Research Institute for Health Sciences, Chiang Mai University, Chiang Mai, Thailand) - 『希少がんプラットフォーム研究とアジアへの展開(MASTER KEY Asia)』
溝口 千春(国立がん研究センター中央病院 国際開発部門研究企画室、臨床研究支援部門研究企画推進部臨床研究支援室(併任) 医員)
勉強会開催の背景・目的
松田班では「全国がん登録データの民間利用に対し製薬企業におけるニーズの把握」をテーマに2017年より毎年の調査・勉強会を開催してきました。近年は、がん登録以外にもがんに関連する統計データやがんゲノム情報、C-CATなど創薬や治療に関連するさまざまなトピックについて製薬企業の皆様にお伝えすると同時に、企業としてのご意見やニーズをお伝えいただく調査機会として本会を位置付けています。
主催
厚生労働省科学研究費がん政策研究事業
「がん統計を活用した、諸外国とのデータ比較に基づく日本のがん対策の評価のための研究」
(研究代表者 松田智大 国立がん研究センター)
サイニクスと研究班の繋がりと役割
弊社サイニクスは2017年4月より「がん登録整備及び活用促進の研究班」の分担研究班の一員として「産業界におけるがん登録データ活用の検討」の研究に参加。その後も継続して研究班の活動に参加し、現在は2023年4月より3期目となる「がん統計を活用した、諸外国とのデータ比較に基づく日本のがん対策の評価のための研究」(松田班)の分担研究員として研究中。本研究の一貫として、過去7回開催された同調査・勉強会では、製薬企業担当者累計1,102名(66社) を対象に、製薬業界におけるがん登録およびがん関連統計に対するニーズ調査を行い、報告書を執筆しました。
また、がん登録データの活用促進に取り組んでおり、論文「全国がん登録データを用いたICD-O-3コード別血液がん罹患患者数の報告」をサイニクス社員が執筆し、2024年、英国Future Science OA誌に掲載されました。