医療リアルワールドデータ時代における疫学 ナショナルデータベースほかをご紹介~第22回日本薬剤疫学会学術総会より~

【今回のトピックス】

医療リアルワールドデータ時代における疫学

  • ナショナルデータベース(NDB)について
  • 学校健診情報のデータベース化
  • バイオバンク

1月18日~20日、紅葉が見頃な季節を迎えた京都にて 第22回日本薬剤疫学会学術総会が開催されました。 弊社は毎年「日本疫学学会」などには参加して参りましたが、本学会への参加は今年が初めてです。 ナショナルデータベースをはじめとするリアルワールドデータの時代になり「一般住民を対象とした疫学研究」を常日頃リサーチしている弊社にとっても、 本学会の動向から目を離せなくなってきました。 有病患者数~治療患者数~アウトカムが1つのデータソースから入手できるのは近い未来にあり得るのか、 私たちも期待を寄せながら学会参加中に色々と勉強をさせて頂きました。

本学会には製薬企業の皆様も多く参加されておりましたので、既にご存じの内容も多いかとは存じますが、私どもの感想も含めて簡単に学会報告をさせて頂きます。

1. ナショナルデータベース(NDB)について

レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)は、厚生労働省が 2009年より構築された電子化レセプト情報ならびに特定健診・特定保健 指導情報を収集したデータベースです。 現在の日本における保険請求情報の95%以上が集められており、国民皆保険制度下にある日本においては国民の医療の実態を全数に近い割合で評価できるといわれています。 保健医療を対象とした各種政策の立案や各種研究を行うにあたっても非常に貴重なデータとして注目されています。 2011年以降は研究者に向けて NDB データの第三者提供が行なわれ、2016年10月12日には厚生労働省のホームページでオープンデータが公開されました。 弊社でも公開日にデータを拝見しましたが、どのように活用していくかはまだ模索段階です。実務で活用された事例などがございましたらご教授頂けますと幸いです。

2. 学校健診情報のデータベース化

一般社団法人健康・医療・教育情報評価推進機構(HCEI)では、現在、全国49自治体と連携し 、母子保健法および学校保健安全法に基づき実施されている子供の健診情報(600~700万人相当)のデータベース化を進めています。 こういったデータが健康ライフコースデータの一環として疫学研究にどのように活用されていくのか弊社でもその動きについて引き続きフォローしていきたいと思います。

日本における血液がんKOL選定サービスのご紹介

弊社・サイニクスは、約15年に渡り日本のオンコロジー領域の市場性分析を行ってきた経験を活かし、日本におけるKOL選定サービスを提供しています。 本サービスは、医師の学会活動、研究活動、ガイドラインより対象疾患及び領域での影響力をデータベース化し、最終的にそれらをスコアリングする事で、 社内部門間にて、開発段階から上市後までご活用頂ける情報プラットフォームを提供するサービスとなります。

■ 編集後記 ■

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