ビッグデータを用いた臨床疫学研究ほか~日本臨床疫学会第1回年次学術大会より~

【今回のトピックス】

日本臨床疫学会第1回年次学術大会

  • ビッグデータを用いた臨床疫学研究
  • 産官学連携の新しい方向性
  • 総合研究(pooled analysis)の実際

東京大学本郷キャンパスにて、2017年9月30日(土)~10月1日(日)の会期で日本臨床疫学会第1回年次学術大会が開催されました。 昨年12月に、「臨床疫学で医療を元気にする」というキャッチフレーズのもと発足された本学会の記念すべき第1回学術大会は「日本の臨床疫学‐天地開闢」のテーマでビッグデータや臨床疫学の方向性について多くの講演がありました。
改正個人情報保護法(2017年5月施行)や次世代医療基盤法(2017年5月公布)など法律の整備が相次ぎ、医療データの収集・活用に関する環境が大きく変わりつつあります。今後の動向に注視していきたいと思います!
それでは、今回の学術大会から弊社が注目したトピックをお届けします。

1. ビッグデータを用いた臨床疫学研究

「ビッグデータを用いた臨床疫学研究」というテーマで、National Database(NDB)を分析する上での課題と今後の展望や、DPCデータについてのシンポジウムが行われました。

その中でもNDBの利活用には、巨大な請求書の束であるデータを臨床研究に適したDB化が最大の鍵であり、そのために「一患者一データ化(名寄せ)」とデータ構築の「高速化」が進められているとのことです(現在3年分のDB構築を進めているとのこと)。 データが膨大であるため、技術的に大変な作業であり国レベルで動く必要があると同時に、3年分のDB構築で、NDBは国民の総調査とも言える宝の山であることが分かった、と語られました。 2017年9月19日には第2回NDBオープンデータが公表されました。弊社でも今後、NDBがどのように活用されていくか注目していきたいと思います。

2. 産官学連携の新しい方向性

臨床疫学データにおいて、産官学の連携の重要性がそれぞれの立場から語られました。その中で、PMDAが医薬品の安全対策のために進めているMID-NETについて紹介されました。 MID-NETは、10拠点23病院の電子カルテ、レセプト、DPCデータを解析する医療情報データベースで、現在400万人のデータが集積されており、レセプトだけでは分からなかった検査結果も分かるとのことです。 現在試行調査中ですが、いよいよ、平成30年から本格始動し、行政以外にも製薬企業の製造販売後調査で活用されることが期待されます。

■ 編集後記 ■

記念すべき第1回の学術大会は大盛況の中行われました。 また、学会ミッションに掲げられている通り、講演の中でも次世代リーダーの育成にとても力を入れられていることを感じられ、若手の先生による講演が多かったことも印象的でした。 来年の第2回大会は京都での開催を予定しているとのことです。