弊社サイニクス株式会社が日本国内で独占的に販売・サポートしている疫学統計データベース『Epi Database🄬』（エピ・データベース）では今春、日本・米国・欧州・中国におけるMASLD（Metabolic Dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease／代謝機能障害関連脂肪性肝疾患）、MASH （Metabolic Dysfunction Associated Steatohepatitis／代謝機能障害関連脂肪肝炎）など9疾患の疫学患者数データを更新・新規追加しました。また、温式自己免疫性溶血性貧血、非嚢胞性線維症気管支拡張症の患者数データを新たに提供開始しました。本記事ではNAFLD、MAFLD、MASLDの診断基準比較や脂肪肝疾患（SLD）の分類についてご紹介いたします。
NAFLDからMASLD、NASHからMASHへ
※『Epi Database🄬』ご契約企業向けの限定配信メールより一部抜粋
NAFLD (Non-Alcoholic Fatty Liver Disease／非アルコール性脂肪性肝疾患)は代謝疾患との関連性を明確にするため2020年にMAFLD（Metabolic (dysfunction)-Associated Fatty Liver Disease／代謝性機能障害に伴う脂肪肝）の病名が提唱された。しかし、その概念は過度のアルコール摂取、併発する肝疾患、または肝脂肪変性症の二次的原因に関係なく診断される可能性があり、採用には慎重論もあり、2023年に欧州肝臓学会（EASL）、米国肝臓病学会（AASLD）、ラテンアメリカ肝疾患研究協会（ALEH）の三学会合同でMASLD（Metabolic Dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease）への病名と分類の変更が発表され、同年には日本でも日本消化器病学会により日本語名称を“代謝機能障害関連脂肪性肝疾患”と決定した。さらに、NAFLDの一種であるNASH（Non-Alcoholic Steatohepatitis／非アルコール性脂肪性肝炎）はMASH（Metabolic Dysfunction Associated Steatohepatitis／代謝機能障害関連脂肪肝炎）に変更となった。
NAFLD、MAFLD、MASLDの診断基準比較
| NAFLD | MAFLD (Eslam et al., 2020) | MASLD (Rinella et al., 2023) | |
| 脂肪肝の証明 | 要 | 要 | 要 |
| 過度のアルコール摂取の排除 | 要 | 不要 | 節度ある適度な飲酒は可 過度の飲酒は不可 |
| ウイルス性肝炎およびその他の肝疾患の除外 | 要 | 不要 | 不要 |
| 脂肪肝の二次的原因の除外 | 要 | 不要 | 要 |
| 代謝リスク因子の存在 | 不要 | ①2型糖尿病 ②過体重/肥満 ③代謝リスク異常2種類の内どれかの存在が必要 | 1つ以上の代謝リスク因子を有する必要あり |
Source：Loomba et al., 2024
訳：サイニクス
脂肪肝関連疾患（SLD）の分類
Source：Rinella M et al., 2023
日本語疾患名：一般社団法人日本消化器病学会
Epi Database🄬では疾患名をそれぞれMASLDとMASHとして提供しますが、診断に際して利用する心血管イベントのリスク因子基準およびアルコール摂取量に関しては日本独自の値を設定するのか等は現在も学会内で検討中であり、今後の学会の動向が注目されます。
疫学統計データベース「Epi Database🄬 （エピ・データベース）」とは？
弊社サイニクスが日本国内で独占的に販売・サポートする、市場規模を示す疫学患者数データ。疾患のトレンドや人口動態を加味して2055年まで将来予測しています。性・年齢別、重症度別、診断率・薬物治療率などの角度で分析が可能で、各国における市場の特性や動向を即座に把握いただけます。
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MASH （Metabolic Dysfunction Associated Steatohepatitis／代謝機能障害関連脂肪肝炎）
MASLD（Metabolic Dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease／代謝機能障害関連脂肪性肝疾患） など - 中枢神経系疾患
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